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日常生活の隅々まで支配する。経済偏差値=クレジットスコア

それにしても、クレジットスコアは恐ろしい。住宅ローンの金利だけでなく、転居や転職、さらには結婚まで左右するようになっているというから驚く。「日本にはそんなやっかいなものがないから自由で気楽でよい」という人があるが、すでに対岸の火事では済まなくなっている。「貯蓄から投資」をスローガンに掲げる日本政府は何でも米国の後追いをしようとしている。今回の改正貸金業法でも信用悄報の一本化が盛り込まれており、その産物として日本版クレジットスコアがいつ生まれても不思議ではない状況になっているからだ。信用情報の一本化によって、これまで銀行、クレジットカード、消費者金融と業態ごとにバラバラに管理されていた信用情報がひとつにまとまり、それによって、借入件数をチェックし複数社の借入れを抑制し多重債務者を減らそうという狙いである。しかし、一本化が実現すれば、全国でクレジットカードを利用する人(おそらく8000万人規棋)の返済能力の序列が経済偏差値として誕生し、それを利用できるようになるのだ。このスコアが生まれれば、銀行は自分で審査する必要はなくなり、点数を頼りに顧客の審査、格付を進めればよい。あとは、補足の質問をして詰めていけばよい。個人の審査が苦手の銀行にとっては願ってもない尺度であり、スコアの誕生を待望している。一方で、信用力の低い利用者にとっては、不利益が増す。

米国ではこのクレジットスコアは売買されており、企業はその悄報によって、不動産鑑定、引っ越しあっせん、就職のときにその情報を活用して審査の一助にしている。もし、日本でもクレジットスコアが売り買いされるようになれば、弱肉強食の何とも世知辛い社会になってしまう。そうなれば、確実に今以上の格差社会が来る(米国の個人情報保護法は企業優先であるが、我が国の個人情報保護法は欧州タイプで、個人の権利を電視しているので、少しは防波堤になってくれるだろうが……)。

点数が高ければ、低利の融資を受けられ立派な家に住めるし、転瞰も楽である。一方、点数が低ければ、金利が高くてローンも組めないから持ち家を持つことは諦めねばならない。就職に際しても一流会社には入れない、その結果、悪くすればホームレスヘの道を真っ直ぐに転落ということになりかねない。手っとり早く成功するには、クレジットスコアの点数をあげることが第一といった社会になる。そのためのテクニック木が街やネットの中に溢れている。これが米国の現状である。

このように米国では信用情報の一元化が進み、国民はそこから割り出されたスコアによって、借入れはもちろん就職、転居、結婚まで支配される事態に至っている。返済履歴のチェックだけで全人格を格付するとは何とも許せない国に思えてしまうのだが、ここまで大企業有利の政策が優先し、システム化が進むとどうにもならないのだ。悲しい現実である。

一方の日本は信用悄報ネットワークの未整備もあり、そこまでの悲惨を経験しなくて済んでいる。ネットワークが整伽されるまでは安心だと思ってしまうが、実際にはそんなに甘くない。すでにSBI(SBIイコールークレジット)は利用者に向けてクレジットスコアを発行しており、自分の点数の推移を確認できるのだ(これは社内スコアリングというべきか)。それ以外にもすでにあちこちで米国並みの信用格差が進んでいるのである。我々は気づかないだけで、すでにその包囲網の中にいるのだ。これからその証拠をひとつずつ拾っていこう。






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